電子部品に直接触れるノズルの管理は実装品質維持に最も重要です。また製造業を取り巻く環境は多様な消費者ニーズから製品バリエーションは増加し、カスタマイゼーションへの対応が加速しています。そのためノズル種とその本数は多くなり、加えて昨今の電子部品の極小化により、その取り扱いやメンテナンスに多くの時間と手間を要す結果となっています。

そうしたメンテナンス作業や時間から作業者を解放し、必要な時に必要な資産であるノズルを効果的に使用できるツールとしてスマートノズルクリンをご紹介します。

スマートノズルクリンは単にノズル洗浄するだけでなく、各種検査およびその可視化とトレーサビリティ管理することで、日々変化する生産計画に最適なノズル配膳を可能とし、実装工程のQCD向上に貢献します。

特別な操作やツールは必要なく、実装機（マウンタ―）に使用されているノズルを格納しているノズルステーションをそのままスマートノズルクリンにセットし、画面に表示されるメニューを選択するだけの簡単操作です。
作業者は目的に応じたメニューを選択するだけで、簡単にノズルをメンテナンスできます。

メニュー例

· 洗浄＋乾燥
· 検査（ノズル内外壁画像検査・ノズルスタック検査・流量検査）
· 洗浄機内回収ストック
· 次生産用プリセット


運用事例

日中は入れ替え運転モード（次生産用プリセット）で、ボタンひとつで次生産用のノズルをノズルステーションに自動準備。帰宅前に洗浄ボタンを押すだけで、翌日出社後には全ノズルが洗浄済。
今まで日中に洗浄に従事していた時間を他の作業に振り分けることが可能です。

繊細なノズルを手作業で洗浄すると、洗浄後の仕上がり具合にバラつきが生じるため、洗浄にスキルが必要になります。
スマートノズルクリンは工業用精製水を使用してノズルを超高圧洗浄するので、常に安定した洗浄結果が得られます。また、洗浄する際にはノズルが等間隔に自動セットされるので、ノズル同士が干渉して損傷するようなことはありません。

検査時間を含めたノズル1本あたりのメンテナンス時間は手洗浄の1/3以下に軽減されます。
作業者のスキルに頼ることなく洗浄から乾燥、検査までを完全に自動で行うので、作業時間のムラが無くなります。

スマートノズルクリンは以下の検査を行い、生産に使用可能なノズルを選別します。
検査結果はノズルIDごとに記録し、各検査で1つでもエラーがあった場合はエラー要因別に排出します。

ノズルに印字された2Dコードが読み取れるかをチェックします。

ノズルをロードセルに押し当てて圧力を測定します。

ノズル先端状態を画像処理し、異物の付着やノズルの欠けをチェックします。

ノズルの流量を測定し、ノズルの詰まりをチェックします。

スマートノズルクリンは１台で1,000本以上のノズルを格納可能なストッカーを備えております。
生産で使用しないノズルをストックしておくことができるほか、生産で必要なノズルをノズルステーションへ自動供給することもできます。

Fuji ホストシステム（Nexim、Fuji Flexaなど）と連携することにより、ジョブのセットアップ情報を基に、次生産に使用するノズルをノズルステーションにセットすることができます。
また、検査でエラーとなったノズルはノズルステーションには装填しないので、ノズル不良による生産ラインの停止や実装品質の低下を防ぎ、安定した生産を行うことができます。