電子部品実装の現場では、外段取りは人手に大きく依存しており、作業のばらつきや遅れが発生しやすい領域です。特にフィーダーの準備・運搬・回収は、段取り作業の中でも負荷が高く、対応が遅れるとライン停止や立ち上げ遅延の要因となります。こうした課題を解消し、段取り替えの自動化を支える中核となるのが「スマートストレージ」です。
スマートストレージは、NXTR Aモデルラインの外段取り工程において、カセットフィーダーの管理を自動で行います。ユニット前面にはフィーダーを自動配膳する「スマートローダー」が搭載されており、従来、オペレーターが手作業で行っていたフィーダーの仕分け・配膳・一時保管を肩代わりします。
1. フィーダー事前準備
従来は、生産ロットが切り替わるたびに、オペレーターが必要なフィーダーを探し、集めて、生産ラインまで運ぶ必要がありました。スマートストレージを導入することで、次に使用するフィーダーを事前に準備し、使用時まで保管・管理できるようになります。FUJIのスケジュラー機能と合わせて使用すれば、先の生産分のフィーダーまでまとめて準備しておけるため、「次はどのフィーダーを用意するか」を都度考えて動く必要がなく、使用するタイミングまでシステム側で自動的に一時保管・管理します。
スマートストレージ内では、スマートローダーがフィーダーを「使用予定あり/なし」で自動仕分けし、使用予定のないフィーダーは回収・片付け対象として区別されます。これにより、オペレーターは細かな入れ替えや確認作業に追われることなく、外段取りに集中できます。
2. スマートストレージのユニット構成と役割
スマートストレージは、以下のユニットで構成されています。
1. 搬出・搬入エリア:
フィーダーマガジンを搬出・搬入する入口/出口となるエリア
2. 準備ステーション:
使用予定のあるフィーダーを保管し、次工程に渡す待機エリア
3. スマートローダー:
フィーダーを自動で配膳・仕分けする挿抜ユニット
4. 作業ステーション:
使用予定のないフィーダーが返却される、または準備したフィーダーをセットするエリア
この構成により、フィーダーの流れが「搬入 → 仕分け → 保管 → 搬出」まで一気通貫で管理され、属人的な判断や移動が大幅に削減されます。
3. AMRによるNXTR Aモデルラインへの自動搬送
スマートストレージで準備されたフィーダーは、自律走行搬送ロボット(AMR:Autonomous Mobile Robot)によってNXTR Aモデルラインへ運ばれます。システムがフィーダーの使用ラインを把握しているため、AMRはその指示に従い指定されたラインへフィーダーを自動搬送・回収します。
ライン側では、外段取りエリアから搬送されたフィーダーマガジン内のカセットフィーダーを、スマートローダーがプログラムで指定された位置へ自動でセットします。さらに、生産中に次の生産で使用するフィーダーを空きスロットへ先行配置しておくことも可能です。これにより、段取り替えに伴う作業を最小限に抑えながら、スムーズな生産切り替えを実現します。
4.まとめ
スマートストレージは、必要なフィーダーを必要なタイミングでラインへ供給できる環境を構築し、外段取りからライン供給までの一連の流れを効率化します。生産中でも次の生産に向けた準備を進めることができるため、生産準備の効率化と止まらない生産ラインの実現をご支援します。