グローバル競争が激しさを増すなか、生産性向上は多くの製造業にとって最重要テーマとなっています。しかし当社の調査によると、アンケートにご協力いただいたお客様の8割以上が依然として生産性に課題を感じていることがわかりました。
その背景には、人への依存度が高く、作業のタイミングが流動的で進捗管理が難しいという構造的な問題があります。SMTの現場では、複数装置の操作、段取り替え、部材補給、チョコ停対応など作業が多岐にわたり、オペレーターには高度なスキルが求められます。
こうした状況への対応策として、多くの現場でモニタリングツールを用いた可視化が進んでいます。しかし、モニタリングツールはフロア全体や装置の詳細状況を把握できる一方で、短期的なトレンド分析が難しいという限界があります。
これらの点を踏まえるとSMTの現場には、
「複雑な工程をいかに正確かつリアルタイムに把握し、最適な対処につなげるか」
という共通課題が存在していることがわかります。

早く知り、早く手を打つ 現場改善ソリューション - IPQC Expert
こうしたSMT工程の作業実態における課題を考慮した現場改善ソリューションが、IPQC Expertです。
IPQC Expertの特長
① 生産ラインの異常をトレンドで捉えられる
② 誰でもすぐに適切な対処ができる
③ 導入が容易
これらの特長を順にご紹介します。
① 生産ラインの異常をトレンドで捉えられる
部品実装工程では、部品吸着率を99.95%以上に維持することが理想です。
しかし、実際の生産では、吸着率が99.94%(5000回の吸着動作中に3回のエラー発生)以下に低下しても、生産を継続しながら様子を見ることが多いのではないでしょうか。気を付けなくてはならないのは、吸着エラーが、いつ、どれくらいの頻度で発生したのかという点です。ここにモニタリングツールでは見えない深刻な状態が潜んでいるかもしれません。
例えば、この3回のエラーが、直近の30回の吸着動作中に起こっていた場合、この間の吸着率は、90.0%となり非常に深刻な状況であることがわかります。しかし、モニタリングツールは、累計吸着回数を母数としているため、このような短期の悪化トレンドをつかみにくく、深刻な状況を見逃してしまう恐れがあります。
このような場合でもIPQC Expertは、30回の吸着動作など短期で切り分けて吸着率をチェックできるため、急激な吸着率の悪化トレンドを捉えて、早い段階で警告を出し対処を促します。
ご採用いただいたお客様からは、部品の廃棄数が減り、部品の補給回数も減らすことができたとお喜びの声をいただいています。
② 誰でもすぐに適切な対処ができる
生産中に複数回のエラーや長時間の前・後工程待ちなどの問題が発生した場合、オペレーターは、生産を正常な状態に戻すための対処を施さねばなりません。その際、経験値の高いベテランオペレーターは、すぐに適切な対処を施すことができますが、新人オペレーターは、何をすべきかわからず対処までに時間がかかり、ラインが停止してしまうことがあります。IPQC Expertは、こうした人による差をなくし、誰でも適切な対処が行えるようサポートします。
IPQC Expertは、ベテランオペレーターが行う適切な対処方法をナレッジとして登録できます。生産ラインで問題が発生すると、警告と共に適切な対処を案内します。また、IPQC Expertは、警告と作業案内を表示する端末を指定できるため、確実に対処できるオペレーターに指示を出し、状況の悪化を防ぐことができます。
ナレッジの収集と登録に時間がかかる場合は、標準で登録してある当社が推奨する対処方法で使用することができます。
③ 導入が容易
IPQC Expertは、チップマウンター(実装機)の情報をベースとしたソリューションです。 そのため、検査機など他の装置とのデータ連携は必要なく、導入が容易です。
短期間でベテランオペレーターのナレッジを洗い出すことが難しいお客様でも、デフォルトで登録されているデータを使用すれば、セットアップ後すぐに使用できます。当面は、デフォルトのデータを使って改善活動を始めて、徐々に自社に最適な作業案内にカスタマイズしていくという使い方もできます。
まとめ
IPQC Expertは、ここでご紹介した事象以外でも使用可能です。
事象例
・前、後工程待ちの発生
・特定ユニットのエラー発生
・サイクルタイムバランスの乱れ
・画像処理エラーの発生
モニタリングツールでは見え難い深刻な状況を捉えて、エラー停止や対処の遅れを防ぎ生産性の維持、向上をサポートするIPQC Expert。 導入も容易で、導入後すぐにご使用いただけます。
機能の詳細につきましては、お気軽にお問い合わせください。
対象機種: NXTR Sモデル、AIMEXR、NXT III、NXT IIIc、AIMEX III、AIMEX IIIc