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立ち上げ時間を半減!誰もが安定品質を実現できる印刷工程へ ― 現場力を引き出す、新たなサポートツール ―

印刷工程の“立ち上げ”がボトルネックに
 - 経験と勘に頼る現状

量産立ち上げ時の印刷工程では、最適なパラメータを見つけるまで何度もテスト印刷を繰り返す必要があります。この作業は担当者の経験や勘に大きく依存し、スキルの差によって立ち上げ時間や品質にばらつきが生じます。特に、製品ごとに最適な条件を見極めるのはベテランでも容易ではありません。結果として、「印刷工程の立ち上げに時間がかかる」、「新人では品質を安定させるのが困難」という課題が長年ありました。

人手不足と技術継承の壁 - 即戦力化が求められる時代へ

近年、製造業全体で人手不足が一層深刻化しています。SMTの現場もその例外ではなく、熟練者の退職や異動に加え、新たな人材の確保自体も年々難しくなっています。そのため、限られた人員で生産を維持するだけでなく、品質を落とさず安定した出力を続けることが、現場にとって大きな課題となっています。
新人をいち早く戦力化し、短期間で安定した生産体制を築くこと。
それこそが、これからのSMT現場における最も重要なテーマとなっています。

印刷条件を自動提示
 ― 「プリンティングナビゲーター」が現場を変える

この課題を解決するのが、印刷パラメータを自動で提示する機能 「プリンティングナビゲーター」 です。
生産ラインのタクトタイム(サイクルタイム)は、実装機やリフロー炉に合わせる必要があります。プリンティングナビゲーターは、目標サイクルタイムを入力し、「自動作成」ボタンを押すと、その条件を満たした最適な印刷条件(スキージ速度・圧力・版離れ速度など)を自動提示します。
さらに、テスト印刷で不安要素や不良が発生した場合は、その症状を選択するだけで最適な条件に自動調整します。これにより、立ち上げ時間を大幅に短縮。従来の半分程度の時間で完了します。

※ 対象機: NXTR PM

新機能「自動角度可変スキージ」
 ― プリンティングナビゲーターとの連携で調整も自動化

さらに進化したのが、新搭載の 「自動角度可変スキージ」 機能です。
プリンティングナビゲーターが提示した最適角度が反映されると、スキージは自動で指定角度へと変更されるため、従来のようにカバーを開けて手動で角度調整を行う必要がありません。
また、自動角度可変スキージを使用することで、スキージ角度の変更履歴を自動的に記録できます。スキージ角度に限らず、その他の印刷パラメータについても変更履歴を残すことができ、作業のトレーサビリティ向上や条件最適化に役立ちます。

※ オプション(出荷済装置への後付けも可能)
※ 対象機: NXTR PM

印刷品質を支えるのは、日々のコンディション確認

パラメータを調整する前に、まずは装置や部材の状態を確認しましょう。高品質なはんだ印刷を実現するうえで、装置と部材のコンディションは最も基本かつ重要な要素です。メタルマスクの打痕やスキージの欠け・変形、バックアップピンの異物付着など、わずかな異常でも印刷品質に大きく影響します。こうした物理的要因を見落としたままパラメータを調整しても、最適化は難しく、時間だけが浪費されてしまいます。
装置と部材の状態を常に良好に保つこと— それが高品質印刷の第一歩です。
日々の使用前・使用後の確認を習慣化し、安定した品質を支える現場づくりを進めていきましょう。

“人のスキル”を補い、安定品質を実現する未来へ

プリンティングナビゲーターは、今後もさらなる進化を続けます。人手不足の深刻化や、生産拠点のグローバル化が進む中で、継承が難しいとされる“人のスキル”をシステムが支援し、誰でも同じ品質を実現できる環境をご提供できるよう開発を進めています。
「人が変わっても品質は変わらない」——それが、プリンティングナビゲーターが目指す次世代の印刷現場です。

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